教授挨拶

教授挨拶

教授挨拶

長谷川教授 挨拶


当教室のホームページをご覧頂き、ありがとうございます。教室は第4内科としての講座開設以来39年目となり、長谷川が責任者を拝命してから10年目の節目の年となりました。この間、総合内科的視点を持った腎臓内科医の育成と幅広い腎疾患・関連領域診療への対応、研究活動を核とした創造性ある臨床医の育成、研修医・専攻医教育の拡充、に力点を置き運営して参りました。
今年度も以下の点を教室の重点方針としています。


①教室の最大の使命は人材育成であり、これを最優先課題として教室・診療科運営にあたる
②一次性および二次性腎疾患、難治性高血圧を中心に、超急性期を含む多様な血液浄化療法、腎移植、透析用アクセス関連の外科的治療など、腎を中心とした総合内科的診療体制を維持していく
③地域医療連携を拡充・深化させ、自施設と地域を守りながら将来の発展に貢献していく
④若手医師、女性医師のワーク・ライフバランスの適正化を推進し、関連・連携施設と一体となった、ライフステージに応じた働き方を提供し、長期間安心して働き、学べる環境を整備していく
⑤大学院進学、学位取得を積極的に進め、また有資格者の専門医資格取得が遅滞なく進むようバックアップしていく


当教室が最も重視しているのは人材の育成、教育であり、診療、研究、教育の目的はこの一点に集約されると言っても過言ではありません。研究活動の目的も必ずしも成果や業績を挙げることにあるのではなく、研究活動を通じて創造性と客観性を養って頂く事を重視しています。

当教室の診療、研究領域は多岐にわたっており、日常は多忙です。これを支える原動力はチームワークであり、教室内の透明性であり、互いを認め合う文化です。この文化があるからこそ、学年や資格によらず意見を交わし合えるカンファレンスや学外出向、女性医師支援などが可能となっています。この独特の雰囲気は、一日でも見学して頂ければ十分に感じ取っていただけるような、当教室が最も自慢できる文化と考えています。

私たちの教室のモットーは「多様性」であり、教室のシンボルマークは、大きさ、色、形など極めて多様な植生を示すことで知られるエゾギグ(アスター)の葉を象ったものです。腎臓内科医が関わりうるほぼ全ての領域をカバーし、教室としても各個人としても、特定の分野に偏ることのない多様性ある教室の文化と、多忙な臨床を支えるチームワークの良さを、これからも大切にしていきたいと思います。

2023年4月
長谷川 元
埼玉医科大学医学部 教授
埼玉医科大学総合医療センター 副院長
腎・高血圧内科学 運営責任者、腎・高血圧内科 診療部長

前嶋教授 挨拶


新年度のご挨拶

 腎・高血圧内科学教授を拝命致してから早いもので2年半が経ちました。腎臓病診療を取り巻く環境は年々変化しています。生活習慣病の増加や高齢化とともに慢性腎臓病の患者数が年々増加していることはご存知の通りです。新たな国民病と言っても過言ではありません。

腎臓内科だけでなく、多くの診療科の先生が腎機能低下症例と関わる時代になって来ています。腎臓は「非常に複雑かつ精密な仕事をする賢い臓器」です。腎臓の不具合は全身に影響し、一方、全身性疾患の臓器症状として腎障害が出現します。様々な医療行為(手術、投薬、造影剤検査など)が腎機能に影響することも少なくありません。腎臓内科へのコンサルテーションも年々増えており、日常診療において腎臓専門医の果たすべき役割は非常に大きいと感じています。

当教室では「検尿異常」から「腎炎の診断・治療」「保存期腎不全の管理」「透析治療」に至るまでの一連の腎疾患の診療を通じて、「全身を診ることができる内科医」の育成に力を入れています。経験症例数も多く、指導スタッフも充実しており、当教室はそれを実践できる環境にあると思います。

研究面では、これまで精力的に取り組んできた「腎再生と老化」に関する研究テーマをさらに発展させたいと考えています。腎臓に内在する再生能力を最大限発揮することができれば「機能腎の再生」も夢ではありません。基礎研究により得られた知見を創薬に繋げて「腎再生医学の確立」への第一歩にしたいと考えています。また、臨床の教室であることを活かして、ヒトサンプルを用いた臨床研究「腎疾患の活動性を反映する新規尿中バイオマーカーの探索」にも積極的に取り組んでいます。現在、急性腎障害に焦点を当てて解析していますが、今後対象疾患を広げていく予定です。

腎臓病の診断・治療において、未だ数多くの課題が残されています。好奇心や探究心が豊かな教室員と一緒に「腎臓病に関する様々なクリニカルクエッション」を解き明かしつつ、「リサーチマインドを持った若手医師の育成」ならびに「独創性の高い基礎研究および臨床研究」に取り組んでいきたいと考えています。

2023年4月
前嶋 明人
埼玉医科大学医学部 教授
腎・高血圧内科 診療副部長、研究主任

小川教授 挨拶


令和4年4月1日付けで腎・高血圧内科学教授を拝命致しました。平成9年に本学卒業後、当センター内科研修医を経て、腎・高血圧内科(旧第4内科)に入局し、研鑽してまいりました。この度の昇格に際し、身に余る思いでございますが、しっかり地に足をつけて前向きに取り組んでいく所存です。

私は、生っ粋の総合医療センター育ちでもあり、かれこれ25年間学ばせていただいています。研修医の時に感じた第4内科(現腎・高血圧内科)は、“この教室には様々な得意分野を持った先生方がいらっしゃる” このことは入局しようと思った大きな理由の一つでもありました。良く言えば個性を伸ばしていただけるのでは・・・自分のやりたいことにいろいろな知恵を貸してくださる・・・入局後は様々な経験をさせていただき、自分の進みたい領域に打ち込み、諸先輩に見守っていただきながら今日に至ったと思っています。

腎臓病は時間をかけて取り組む疾患が多いゆえ、患者さんが病気と向き合うには毎日の仕事や生活をも考慮した総合的な方針を立てることが必要であります。患者さんのニーズに合わせた医療を提供できるよう、知識や技術の習得を目指し、より良い生活を送るために必要な医療や支援を立案できることを目指します。腎臓内科領域に研鑽することが良き医療人への近道であってほしいとも思っています。

私が腎・高血圧内科教室に貢献できることは何だろうか・・・これからも続く命題であります。今日まで血液浄化療法の発展を柱とした学術活動や医療技術の提供に取り組んでまいりました。川越キャンパスもしっかり臨床、教育、研究に取り組む体制を持っており、これから様々なことにチャレンジします。特に実臨床の現場では、指導医のもとで実践させる教育を行ってきました。一つの例ではありますが、大学の腎臓内科部門で専用の手術室を設けていただけたことは、多様性を育てるいい機会になっています。実践によって適切な医療評価ができる力をつけられるよう、教育、研究も進めて参ります。

教室の発展は地域医療に貢献していくことはもちろんのこと、この領域の進歩に必ず寄与してくものと信じています。皆様方のご支援を引き続きお願いしたく存じます。

2023年4月
小川 智也
埼玉医科大学医学部 教授
腎・高血圧内科 診療副部長
血液浄化センター長