大学院・研究

当教室の研究紹介

当教室の研究概要

当教室の研究活動は、大学院生・専任研究員を中心とする基礎研究、院生の他中堅学年を中心に幅広い教室員が行っている臨床研究、さらに若手教室員を中堅・幹部学年が指導する形で行っている診療成績解析の3領域に大別されます。テーマは様々ですが、全ての研究は進行性腎障害の進展抑制、という共通目的に集約されます。基礎・臨床とも、解析手法を出来るだけ共通化し、限られた時間を有効に使えるよう工夫しています。診療成績解析は学会報告レベルの複数例解析と臨床研究の中間と位置づけられ、教室で行っている種々の診療成績を客観的に振り返り、より良い診療に繋げることと、研究活動のハードルを下げ、若手にも積極的に関わってもらうという二つの目的で行っています。

以下は2019年の埼玉医科大学雑誌に掲載されたもので、過去及び現在の研究室の活動を、実績と共にまとめたものです。当教室の研究活動を知っていただく上で分かりやすい内容になっていますので、是非ご一読ください。



現在の研究活動テーマ


(1) 基礎研究

1) 尿細管浸透圧受容機構におけるTRPV4の役割 (寺尾政昭 大学院生)
2) 腎線維化、腎障害進展に関するCaSRとclaudinの生理的・病的意義の解析 (黒澤 明 大学院生)
3) Mg負荷による進行性腎障害進展抑制の可能性の検討 (高栁佳織 大学院生・徳島大学分子栄養学)
4) フルクトース過剰摂取による高血圧発症機序の基礎的解析 (原宏明 大学院生)
5) 腎尿細管間質障害におけるマグネシウム代謝異常に関する基礎的研究 (清水泰輔 講師)
6) Claudin-16, TRPM6の制御機構 (岐阜薬科大学との共同研究)

(2) 臨床研究

1) Na依存性ブドウ糖輸送体(SGLT)-2阻害薬の腎保護効果に関する研究 (佐藤紗映子 大学院生)
2) 腎血管超音波を用いた尿細管間質障害重症度予測に関する研究 (羽田野実 助教)
3) 遺伝性多発性嚢胞腎(ADPKD)の腎障害進展に関する臨床的パラメーターに関する研究 (小暮裕太 助教)
4) 膜性腎症の予後予測因子に関する臨床解析 (岩下山連 助教)
5) 腎障害進展速度に影響を与える酸塩基平衡異常の関与の解析 (黒澤 明 大学院生)
6) 進行性腎障害に与える尿酸代謝異常の関与と治療適応に関する解析 (中村裕美子 後期R)
7) 非Ca系P吸着薬の動脈硬化進展遅延効果に関する臨床的検討 (岩永みずき 非常勤医)
8) 妊娠高血圧症候群(HDP)への腎尿細管・間質障害の関与の検討 (佐藤真理子 専攻医・岩下山連 助教)
9) 血液透析、腹膜透析の自律神経機能への影響の相違に関する解析 (下郷 優 後期R・山本 亮 助教)

(3) 診療成績解析

1) 遺伝性多発性嚢胞腎に対する治療効果の解析 (小暮裕太 助教)
2) IgA腎症に対する扁摘パルス療法の治療効果の予測因子に関する臨床的解析 (山本 亮 助教・小暮亮太 助教)
3) 顕微鏡的多発血管炎治療の予後規定因子に関する臨床的解析 (佐藤真理子 専攻医・羽田野 実 助教)
4) 難治性ネフローゼ症候群に帯するリツキシマブの治療効果に関する解析 (小川公己 助教・叶澤孝一 准教授)
5) 内シャントPTA治療後の開存期間予測に関する検討 (安田邦彦 助教・清水泰輔 講師)