血液浄化センター
バキュラーアクセス部門
バスキュラーアクセス部門
―透析患者さんの命綱を守る、専門性の高い治療を提供します―
1. 当院のバスキュラーアクセス（VA）治療とは
バスキュラーアクセス（VA：Vascular Access）は、透析患者さんの生命線です。
当院では、この重要な領域に専門チームを組織し、エコー評価・手術・PTA・先進治療まで一貫して対応しています。
2. 超音波（エコー）による精密なVA評価
■ 超音波評価の様子
超音波装置を用いたシャント血流評価。狭窄や血栓の早期発見に役立ちます。
当院では、VA治療の質を左右する“事前評価”に特に力を入れています。
エコーは痛みなく繰り返し評価でき、
・血流量
・狭窄の有無
・血栓
・人工血管の異常
などを正確に判断できます。
通院されている透析クリニックとも連携し、最適な治療時期をご提案しています。
3. 日本透析アクセス医学会を牽引する専門医が診療
■ バスキュラーアクセス治療を行う専門医
日本アクセス医学会の役員として、県内外のVA医療をリードしています。
日本透析アクセス医学会の役員（全国のVA医療を牽引する存在）がチームリーダーとなり、育成された多くのVA血管内治療認定医とともにチームを結成し、専門的な知識と豊富な治療経験を活かして積極的にVA治療を行っています。さらに、腎・高血圧内科医師や近隣透析連携施設の医師も参加し、あらゆるVAトラブルに対応できる体制を整えています。
加えて、血管外科の高度な治療が必要な場合には血管外科と連携しながら治療を行うことができ、埼玉県におけるVA医療の基幹施設として大きく貢献しています。
4. 患者さんに優しい治療：PTA時の痛み軽減
■ PTA（経皮的血管拡張術）
バルーンで狭窄部を拡げる治療。外科手術に比べ身体への負担が少ない方法です。
当院の特徴は、清水准教授を中心に、PTA時の痛みを軽減する「選択的皮神経ブロック（SCNB）」 を積極的に実践・教育しています。
PTAが痛かった経験のある方も、安心して治療が受けられるよう配慮しています。
5. VAの種類と治療内容
■ シャントの種類（模式図）
AVF（自己血管）、AVG（人工血管）、CVC（カテーテル）の比較図
当院では以下のVAに幅広く対応しています。
・自己血管内シャント（AVF）
・人工血管内シャント（AVG）
・中心静脈カテーテル（CVC）
■ 主な治療
・シャント作製術
・再建術（リビジョン）
・血栓除去術
・人工血管手術
・PTA（経皮的血管拡張術）
6. 最新のデバイスを用いた先進治療
■ DCB治療（薬剤塗布バルーン）
薬剤塗布バルーンにより、血管の再狭窄を抑える効果が期待できます
■ 被覆ステント（バイアバン）治療
人工血管トラブルに対して有効な治療オプションです
7. 充実した治療設備 ― PTA専用治療室
■ 血液浄化センター内手術室（PTA、カテーテル中心）
血液浄化センター内に設置された専用PTA治療室。緊急対応も可能です。
・PTA専用室
・最新型X線透視装置
・高画質エコー装置
が整備されており、安全かつ迅速な治療が可能です。
8. 診療体制
■ 診療日
・定期外来：木曜・金曜
・手術／PTA：月曜・木曜・金曜を中心に実施
急な血流低下や閉塞の場合などは、状況により 緊急治療 にも対応しています。
9. 地域透析施設との強固な連携、受診方法
・かかりつけ施設でのシャント音の変化
・返血不良
・針が刺しにくい
などの小さな症状でも、早めのご相談がアクセス長期維持につながります。
・当院のVA外来は積極的に透析施設からの受診をお受けしております。当院のVA外来に通院をご希望される患者さんがいらっしゃいましたら、ぜひ、ご紹介いただきたいと思います。
・緊急時のご相談は 血液浄化センター ０４９－２２８－３５２３ にお電話をください。透析現場の穿刺などの状況がわかる方（医師以外でも可）から、ご連絡いただきましたら、当院スタッフと緊急度をご相談して予約を取得致します。
10. 最後に ― 大切な命綱を守るために
当院バスキュラーアクセス部門では、高度専門医による診療・先進デバイス・痛みに配慮した治療・専用設備を組み合わせ、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供しています。
どのような不安や疑問でも、どうぞ遠慮なくご相談ください。
患者さんが安心して透析を続けられるよう、私たちが全力でサポートいたします。