学生・研修医の方へ
1日の流れ
オールラウンドな腎臓内科医を目指して
埼玉医科大学で大学6年間はテニス部の活動に全力を尽くしてきました。卒業後は埼玉医科大学病院で2年間の初期研修を終え、当教室へ入局し、現在は社会人大学院生として臨床にも研究の両立に取り組んでいます。今年度はチーフレジデントに任命され、研修医・専攻医教育にも力を入れています。
助教
関口 桃子 SEKIGUCHI Momoko
- 出身校
- 埼玉医科大学
- 卒 年
- 2017年
One Day
Workflow
8:30
出勤
川越中心部に住んでおり、車での通勤時間は15分程度です。通勤時間は自分の中ではリフレッシュタイムで、晴れた日には窓を開けて運転しています。
9:00
チームカンファレンス-朝回診
当直帯での患者さんの経過を把握し、チーム全体の患者さんの状態を確認したうえで、カンファレンスを行います。
基本的には専攻医の先生方が担当医としてメインで患者さんを診ており、オーダーの抜けや治療方針などを確認します。
ICや腎生検などの手技は同席をすることが多く、一日のチームのスケジュールもここで調整します。
12:00
昼食
昼食はコンビニで簡単に済ませることが多いです。医局で食べていると、先輩や後輩たちがたくさんいるので、他愛のない話で盛り上がります。
くだらない冗談から、研究の話、進路の話などもできて、リフレッシュすることができます。
14:00
後輩指導
救急対応やPTA、手術などがないときには積極的に研修医や専攻医の先生方にレクチャーをするようにしています。腎炎・ネフローゼの管理や電解質異常の初期対応、シャント手術の術前エコーの見方、文献の調べ方など、多岐に渡ります。形式的なレクチャーだけでなく、ちょっとした質問もたくさんしてもらい、自分でもわからないことは一緒に調べたり、勉強したりします。人に教えることが一番の勉強だなぁと常々思わされます。
それでもわからないことは上級医に質問します。前嶋教授や小川教授を見かけたときには積極的に質問しにいくようにしています(笑)。多忙な中でもいつも優しく教えていただけて、この学年になっても学び続けられる環境に感謝しています。
15:00
研究
日によっては朝から研究室に実験に行く時もありますが、そうでない日は午後に解析や論文執筆を行います。学会発表などが近いときには指導医の先生とMTGを行い、進捗状況をこまめに共有するようにしています。
17:30
夕回診-帰宅
夕方に再度チームカンファレンスを行い、診療の進捗状況と翌日のTo doを確認して、必要に応じて当直帯に申し送りをします。回診した後、研究の続きや学会準備などをするときもあれば、医局で先輩・後輩を誘って飲みに行くことも多いです。川越は美味しい居酒屋さんが多いのですが、ついついお気に入りの決まったお店にばかり行ってしまいます(笑)。
最近は健康を意識して、ジムに行ったり、自炊をしたりするのもいい気分転換になっています。
当教室を選んだ理由
手技が好きで学生の頃は救命救急科や外科を志望しており、研修医の時には内科は最低限しかローテーションしませんでした。学生時代は部活ばかりで、卒業試験や国家試験を通過するための勉強をしてきた私は、腎臓内科は病理がメインの科だと思い込んでいました。転機は1年目の10月、研修医の間で人気だった当教室をローテーションした時です。その時に初めて、腎臓内科がこんなにも幅広い疾患を取り扱っていることを知りました。腎機能が低下し、当科へ入院となる患者さんはたくさんいますが、その原因はまちまちです。循環器疾患、消化器疾患、膠原病、血液疾患と本当に腎臓内科かな?と思うほど、色々な科が関わる患者さんがいます。その一つ一つに対して文献を調べ、カンファレンスで議論し、治療方針を決めていく姿に感銘を受けました。
また私は研修医の間に日本腎臓学会東部学術大会でポスター発表の機会を与えられたのですが、その発表への準備はまさに普段のカンファレンスの延長であるなと実感しました。週二回のカンファレンスが医学の発展に少なからずつながっているという印象を受け、当教室への入局を決めました。
専攻医生活・専門医取得について
私はJ-OSLER 2期生で、ちょうど専門医制度の変わり目で入局しました。前述の通り、研修医の時には内科をほぼローテーションしてない影響もあり、症例の不足が心配されましたが、当科での豊富な症例に恵まれて、問題なくJ-OSLERをクリアすることができました。
また学外研修先は先代の長谷川教授に東京の聖路加国際病院での研修機会をいただきました。日本トップレベルの研修病院での日々は、毎日遅くまで学ぶことだらけでしたが(笑)、素晴らしい上級医や勉強熱心な研修医たち、そして何より切磋琢磨できる同期と出会えて、宝物の一年になりました。
聖路加国際病院以外にも、当教室の連携施設である県立循環器呼吸器病センター、さいたま市立病院、イムス富士見総合病院など、教育熱心で優しい腎臓・透析のスペシャリストのいる病院があります。充実した専攻医生活を行い、無事に専門医を取得することができました。
社会人大学院生について
内科専門医を取得した後に、社会人大学院へ入学しました。現在は病棟・外来業務・手術やPTAといった手技をしながら、「AKIのバイオマーカー」について臨床研究を行っております。研究を始めたばかりの時は、何をどうすればいいのかわからないことだらけでしたが、指導教官である前嶋先生に頻回に丁寧にご指導いただき、少しずつですが「Aを証明するために必要なBを調べる」という基礎中の基礎がわかってきた気がします。
よく「学位は足の裏の米粒」などと表現されることもありますが、臨床を続けながら研究に携わることで普段の業務の中で「なぜこうなるのだろう?」「これを証明するにはこのデータが必要だな」など、臨床医としての視座が高くなった気がします。
またアメリカ腎臓学会などの国際学会での発表の機会もいただき、自分自身の成長を感じることができています。
入局を希望されている方で少しでも興味があれば、是非とも一緒に研究をしましょう。知識ゼロでも大丈夫です。
今後の目標
私の目標はオールラウンダーな腎臓内科医です。当教室は様々な内科疾患に関連する腎障害も豊富ですが、血液浄化センターの診療の幅広さも魅力の一つです。急性血液浄化療法やバスキュラーアクセス(シャント手術・PTA)はもちろん、腹膜透析の手術も当科で行います。また腎移植後の管理も担当しており、腎臓内科医として関わるほぼ全ての診療に携わることができます。
日々、学ぶことがまだまだたくさんあることに伸び代を感じることができます。前述の通り、手技が好きなので、今は腹膜透析手術やバスキュラーアクセスの管理について勉強中です。経験豊富な上級医や、時に高い志で一緒に技術の習得に励む同期に指導してもらいながら、幅広い知識と技術を持った腎臓内科医になれるように成長していきたいです。
またチーフレジデントとして患者さんにより良い医療を提供するために、先輩・後輩たちと協力して良いチームにできるように努めてまいります。